現代GPに採択されました

何、それ?という人が多いかと思いますが、じつは文部科学省が、大学教育の新しい方向を、各大学に競わせてそれにおかねをつける、というやり方を展開している、その一つに「現代GP(グッドプラクティス)」というのがあります。いま、強弱大小を問わず、全国の大学、短大、高専の先生は、その獲得に必死になって「企画書」づくりをやっています。特に「地域社会との連携」が大きいテーマとなっており、全国で「ほんまちラボ」に似たような動きが一気に進んでいるのは、そういう背景があります。もともと多大な蓄積があり、スタッフも豊富で、地域での信用度も高い国立大学や伝統のある大私学がこれにどんどん応募しているなかで、対等の立場で弱小大学が応募してもなかなか勝てるわけがないのですが、わが大阪人間科学大学も、これに挑戦して、昨年はダメで、今年はついに採用をかちとれた、というわけです。その背景には、まちなかラボをつくり、有能な先生方が懸命に努力されて、評価に値するだけの企画をまとめられたという、涙ぐましいまでのご努力があります。3年間で合計3千万の研究費がつくのですから、まったくありがたいことですし、大学の信用も高まります。有難いことに、小生はほんまちラボの蓄積と経験を買われてそれに参画するよう要請されており、どうやら来年もクビがつながりそうだし、何かまた楽しいことがやれそうです。というわけで、公表されている「選定の概要と理由」を紹介します。ちなみに、今年度の応募件数565で採用が112、とくに本学が応募した地域活性化への貢献・地元型では、私立大学では54校が応募してわずか9件が採用という激戦区を勝ち抜いたのですから、これは価値があります。

平成18年度 現代的教育ニーズ取組支援プログラム選定取組の概要及び選定理由

大阪人間科学大学

テーマ名 地域活性化への貢献(地元型)

取組名称 個性的な地域を創生する人材育成プログラム-大学を「環境とアートのまちづくり拠点」に-

取組担当者名 杉本久未子

(取組の概要)本学は摂津市唯一の大学であり、地域と連携しながら人間探求の成果を生かして人々の生活を直接的に支える実践的な人材育成をしている。本プログラムは大学を摂津市の「環境とアートのまちづくり拠点」と位置づけ、エコリーダー・アートディレクターとして活動することにで、個性的な地域創生に貢献しうる能力を備えた学生を育成することを目的として実施する。

具体的には、今まで授業や演習等で実施してきた取組を4つのテーマ(地域住民とともにまちの将来を考える、地域商業を元気にする、歴史・町並み・福祉から居住環境を考える、コミュニティをデザインする)に整理し、学生が地域をフィールドとして学べるカリキュラムを採用する。

取組はコミュニティ・スペースを放置している正雀地区で開始し、それをモデルに全市に広げていくが、その過程に学生が関わり地域住民と交流することでより充実した実践的教育が可能となる。

(選定理由)本取組は、平成17年度に大阪人間科学大学から申請された「摂津市の地域環境改善プログラムの実施」に対して選定委員会が指摘した「コミュニティ・スペース設置の実現可能性」と「プログラムの実施体制・実施能力」という2つの問題点を真摯に受け止め、大学を「環境とアートのまちづくり拠点」とし、エリートとしての専門家ではなく、こうしたまちづくりの担い手としての中堅的人材を育成する方向を明確に打ち出して再構成したものです。

 本取組では、実施予定のカリキュラムを共通プログラムとテーマ別プログラムとに分けています。共通プログラムにおいては、対象地域を大学本部の所在地であり、最近コミュニティ・スペースを設置した正雀地区から始め、それを踏まえて摂津市全休へ及ぼすという段階的な整理を行ったことによって、実施の筋道が非常に明確になりました。テーマ別プログラムにおいては、①地域住民とともに町の将来を考える、②地域商業を元気にする、③歴史・町並み・福祉から居住環境を考える、④コミュニティをデザインするという4つのテーマを提示し、これら4つのテーマごとに担当教員や関連授業科目を緻密に配置したことによって、本取組の展開する教育活動の中味がきわめて具体的なものとなっています。このように、本取組は、他ならぬ教育のプログラムとしてすぐれた特性をもっています。ただ、摂津市の地域としての特徴が、大都市の周辺地区にあり、浄化・整備の必要な自然条件や公共施設をもつ小都市に共通のものであることをより鋭く自覚すれば、4つのテーマ別プログラムのうちどこに核心部分があるのか、相互にどのような関連があるのかが明確になり、取組自体の汎用性も高まるものと期待されます。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/07/06072402/l002.pdf

by honmachilabo | 2006-08-07 10:33  

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