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日本一の茅葺き集落、京都府美山町を訪ねてきました

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日本と地形条件などがよく似ているイタリアでは、長年にわたって地方の独自性を活かす努力が重ねられてきた結果、いま地方都市も農村部の小さな村々も、みんな活気があり、若い人たちが居着いている。とくに元気なのが女性たちだ。町並みもワインも食べ物も、全てが個性的かつ見事に洗練されており、それを求めて多くの人々がやってくる。人々が動くことで経済活動が展開し、原発なしのイタリアで、人々は地域のもつ全ての資源を生かしつつ、リッチで楽しい生活を満喫している。
日本の町村合併がもたらした悲劇は、村おこしの独自の努力の芽を摘んでしまったことと、いざ災害という時に、それまで頼りにしてきた身近な役場がなくなったことに象徴される。それらがあいまって、わが「限界集落」からは、暗い話ばかりが聞こえてくる。
そういうなかで、美山町は合併して丹南市の一部とはなったものの、まさしく「茅葺き独立国」ともいうべき、貫禄と風格のある町だ。
このまちに生まれ育った最も若い茅葺き職人の「親方」である中野誠さんとは、10年以上前に新潟県村上市での「全国町並みゼミ」で知り合い、なぜかウマがあって、なんと彼の結婚式にまで出席させていただいた。村の青年団が主催する久々の「伝統ある青年結婚式」は、小学校が会場であり、教室が控え室に早変わりしているなど、そのことにまず度肝を抜かれた。なんでも学校の設計段階で、そういう使い方が組み込まれていたというのだ。これこそ地域に根ざした公共建築の見本だと思った。
代わる代わる芸達者な村の青年たちや新婦の友人たちが余興を繰り広げ、なんとも楽しく、ほのぼのとした結婚式だった。その後、数年前にご自宅を茅葺きで新築したと便りをいただいていたので、ふと思いついて久しぶりに訪れた。
村をひと巡りして、あれ以来、美山にはずいぶん茅葺き民家が復活し増えていることを知り、胸が熱くなった。かれらの努力が着々と形になり、その見事な風景を求めて多くの人々が美山町にやってきている。おいしい食事も、すてきな民宿や旅館もあり、ムラはすこぶる元気だ。若い人も増え、芸術家たちも移住してきているという。
いま、茅葺き仕事は全国にあるそうで、けっこう忙しく、誰か若い人で職人希望者はいませんか、と問われた。自然農法も実践しておられ、会社組織に新しく農業部門も加えて、社員を増やす計画とのことだ。希望者があれば、彼に連絡したい。中野さんはすてきな人柄に加えて、企画力と実行力の持ち主であり、しんどい肉体労働が多いけれども、この仕事には、確実な未来があると思う。
茅葺きの住まいは、屋根の断熱性が良く、夏はまことに住みよい。冬は、やはりずいぶん冷える土地柄なので、囲炉裏とまきストーブを欠かせない。訪れたちょうどその日、ご自宅を演奏会場に、ギタリストの渡部延男さんの演奏会があった。土地と建物と音楽とが一体化した、すばらしいひととき。茅葺きには弦楽器がよく似合う。次回は西洋古楽器の専門家グループによる演奏会とのこと。じつは中野さんの美しい奥様は、人も知るビオラ・ダ・ガンバの演奏家とか。

茅葺き民家は絵になる。通りすがりにみつけると、ついスケッチしたくなる。イギリスのわら葺き民家のサッチドハウスも描いた記憶があるし、他にもまだまだ描いたように思うが、まったく整理していないので、手元にあったものだけ、とりあえず紹介しておこう。

大阪府能勢町
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山形県大内宿
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兵庫県篠山市
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兵庫県篠山市
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沖縄県竹富島
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by honmachilabo | 2011-07-27 17:44