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台湾の町並み仲間が猛暑の奈良へ

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町並みもいいが、なんせこの暑さ、案内役を買ってでたのだが、暑さで誰か倒れたりしては大変だ。そこで一計を案じて「宇治金時」で体を冷やす作戦に出た。これはなかなか好評で、小生の株は一気に上昇した。夜は、武漢、ウトロ、奈良をテーマに展開された「非正規都市のまちづくり」のシンポジウムを終えた奈良町の人たちとのインド料理店での国際交流会。そしてそのあとは奈良公園一帯で行われていた燈火絵へ。そこで小生は「夜目遠目傘のうち」などという、中国語に同様の言葉があるのかどうかまったくわからぬ説明をしたが、たしかに雑物がまったく目に入らない夜の奈良は、ほんと美しかった。わたし自身、幼少の頃から奈良には32年間も住んでいたが、このような光景をみるのは初めての体験だった。
こうしてイベントをやると人は寄ってくるが、ただ、いったい何のための集客作戦なのかが問題だな、と思った。歴史都市として共通する面の多い京都とは異なる、奈良の本当の魅力は、空間的な広がりと静けさではないかというのが、小生のかねてからの持論である。そして、ここにきてようやくその本質的な魅力を求めて、人々が全国各地、世界各地からやってき始めているように思う。
いまがチャンスではなかろうか。短期集中型ではない、適度な集客作戦に切り替えるべきときが来ていると思うのだ。イベントをやると、あきらかに客が多すぎて、奈良の本当の魅力を味わうことができない。わが首を絞めているようなものだから、もう集客目的のイベントはいっさい中止すべきではないか。がつがつしないで、奈良の人々がゆったりと暮らす、そのことが今や最大の観光資源なのだ。その様子に惚れて、人々はまたリピーターとしてやってくる。そういう質の高いお客なら、「朋あり遠方より来る」ということで、地元としても素直に歓迎したくなろう。これからの観光奈良のあるべき方向方は、ここだと思う。
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by honmachilabo | 2010-08-15 00:06  

三津屋地区の夏まつり

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今年もまた、昭和30年代の熱気むんむんの三津屋夏まつり。会場では金券しか通用しない。実は金券発売時間が終わってしまって、ついにビールを飲めなかったのだが(もっとも別の理由もあって少しためらっているうちに店じまいになっってしまった)、アルコール抜きでもその見事なまでの賑やかさにはじゅうぶん興奮し感動した。三津屋小学校の校庭には、地域の自治会や社協や子供会のテントが20張り近くもずらりとならび、名物の焼きそばやゲームや飲み物などなど。それぞれに老若男女、というか、この地区にはこんなに子供がたくさんいるのか!というほど大勢の子供たちが群がっている。そして、そこにはなんと「防災コーナー」のテントがあった。毎年あったのかもしれないが、今年初めて気が付いた。そこでは、アンケートとクイズと景品で防災を学ぶ仕組みがちゃんと用意されていた。もともとこのまつりそのものが、実は実質的な防災訓練なのだと長老の方々がおっしゃっていたが、この町の人たちは本気で、来るべき災害に備えようとしてこられたことを改めて知った。会場では連合自治会の役員さんや防災リーダーのみなさんに出会えたので、また「ぼうさい朝市」やりましょうぜ、と申し上げたら、そらせなあかん、と頼もしい言葉が返ってきた。

by honmachilabo | 2010-08-10 11:55  

ドクター徳さんの快挙

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なんと偉い友をもっていたもんだ!徳さんこと中村徳三さんが、このほど大阪府立大学の経済学博士号を取得されたので、カクさんとたっちゃんと小生とが主催して、寺西長屋の混というフランスめしやで祝賀会をやった。ばりばりの土木技師である徳さんが工学博士ならまあそんなものか、というところだが、経済学博士となると、これは尊敬するしかない。
論文のタイトルは「地価下降期の大阪府における開発利益に関する研究ー資本化仮説による実証分析ー」。うっ、ムズそう!だが、祝賀会ともなれば、一応その内容を紹介する人が必要になる。見回すと、学識と権威ある地位からして小生がその役をするしかない、となった。さてこれはたいへんだとその前日、分厚い論文の頁をめくってみたが、ほんの数分で深ーい眠りについた。つまり、睡眠不足の人には大いにおすすめというわけだが、それだけでは挨拶にもならない。意を決して、一眠りして少し頭の冴えたところで、梗概と審査結果の文章からスタートしてみて、何とか自分なりに理解したと思った部分だけ報告することとした。
論文の梗概はネットで公開されている。
http://www.osakafu-u.ac.jp/affiliate/active/pdf/h21/k1257.pdf
わたしの見立ては次の通りである。
まず、なぜ博士号を得ることに成功したかであるが、それは第1に多くの人が敬遠する「地価下降期」という右下がりの難しい時代に着目したことがある、と見た。第2に、面倒くさい「実証作業」をえんえんと積み重ねた努力が評価された、と見た。現役の技師としての仕事をきちんとこなしながら、恐らく睡眠時間を削ったりして、よくまああれだけの丹念な作業を積み重ねられたものだと思う。こういう地道な努力こそがドクターへの唯一の道だと思う。第3に研究の鍵になるアイディアとして、「地価総額」と「地域横断的」という概念を導入したことがある、と見た。
今回はじめて聞いた「資本化仮説」というのは、もともとアメリカで最近開発された理論らしい。ネットで検索してみると、日本のどこかの教授か准教授が、ヨコ文字をタテにしただけという感じの「論文」らしきものを何篇か発表されていた。これは従来の日本の主流の「学者」の手法であり、海外で生まれた最新の理論をいち早く入手して「翻訳型の研究業績」を積み重ねるだけで学者の世界で偉くなっていく仕組みはまだ厳然と生きているなと感じた。しかし新しい理論をじゅうぶん理解したうえで日本の現実と向き合う道具としてそれを使いこなすには、そこに研究者としての独創性、つまりオリジナリティが絶対に必要なのである。そして徳さんの偉いところは、元の理論をナマで応用したのでは問題解決につながらないことを見抜き、そこに元にはなかった「地価総額」と「地域横断」という概念を導入することで、大阪府という地域の実態に適合させて使えることを「発見」したことが「勝因」だったのではなかろうか。(こう申し上げたところで、なんと徳さんがにやりとうなずいた!)
そしてついに彼は当初から研究の目的としていたと思われる(ここが小生の勝手な解釈だが)「公共による企業的な手法でのインフラ整備には、財源をひねり出すべき正当性がある」ことの実証に成功したらしい、というわけだ。もっとも、この肝心のところを小生がきちんと理解できていないのだから、ひょっとすると出鱈目な説明になっている可能性がある。とすれば、まことに申し訳ない次第である。
論文では、実際にどうひねり出すかの手法は未開発であるが、アメリカではこういうやり方で実現していると紹介し、わが国でも今後真剣に検討すべきだと締めくくっている。このような研究を展開した根底には、大阪府企業局のような、実質的にぐいぐい進めていく機能的な部局を「赤字になった」という理由で簡単に廃止してしまったことへの深い疑問がある、と見たが、これは本人が苦笑いしながらうなずいておられたので、小生の理解は当たらずとも遠からずであったようだ。まあ、近代経済学の手法を駆使することに挑戦しただけでも偉いが、博士の学位にまで到達したのだから、ほんまに偉いと思う。
素人の疑問としてちょっと思ったのは、「実証」の計算過程において、道路面積が広くなることと地価が上がることの相関性、つまり道が広ければ地価があがるのは当然だという「定説」でもって計算を展開していた点だ。わたし的には、道路は狭いほうが住みよいと信じているのだが、そういう「飛んだ発想」は近代経済学にはなじまないということなのだろうか。

by honmachilabo | 2010-08-02 00:36