まちに大学があることは、とてもいいことなのだ。ろうそくファンタジーin摂津市

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 まちには大学があってほしい!と、あらためてそう思った。

 全国でも最小規模の大学の一つであるが、大阪府摂津市に位置するわが大阪人間科学大学には、小さいなりの大きい存在価値があるはずだとかねてから思っていたが、「ろうそくファンタジー」の現場で、そのことをあらためて実感した。

 なんといっても、小回りの利く大学だから地域となじみやすい。さすが大阪で、わが大学には結構全国各地から学生たちがやってきているが、当初はなかなか地域と溶け込めなかった。しかし、大学ができて10年たったいま、ようやく彼らをしっかりと守り育てようという、地域の人々の暖かいまなざしが実感できるようになってきた。

もちろん薫英学園の80年近い歴史をふまえて、当初段階から多くの人たちがそのための努力をしてこられたわけであるが、2007-9年に国から「現代GP」の研究助成をいただいて地域の方々と一緒にいろいろな試みに挑戦したことがきっかけになって、その関係が大きく進展したように思う。多様な経験をすることができた当時の学生たちも大きく羽ばたいたし、いろいろな試みをさせていただいたことで、ありがたいことにわたし自身までが成長したように感じている。

 とくに数年前から学生の自治会(学友会)が、地域とのいい関係づくりに乗り出してくれたのがよかった。環境・建築デザイン学科エコライフコースに属するわがゼミから、連続して「まちカレ実行委員長」や「学友会長」が出て、ゼミ生みんなが彼らを支えてその関係づくりに大いに奮闘してくれたのも大きい。今年11月2日に予定されている「第3回あかりプロジェクト」の実行委員長もわがゼミ生というのだから、まったくすごい。
 よく誤解されるので念のために申し上げておくと、こういう素敵な学生たちが、ゼミから輩出して大活躍することが、私の教育力に由来するというわけでは全くない。たまたまそういうすぐれものがやってきて、勝手にいろいろやっているのを、ほうーっ、やるもんだなあと見ているだけのことである。もっとも、人生においては「反面教師」こそがほんとうに為になる、という自説が見事に証明されている事例ではあるが・・・。

 学生たちにとっては「ゆりかご」や「ふるさと」のような、そして地域にとっては宝物のような、そういう大学と地域とのいい関係ができると、小さいながら個性的で、質の高い、いい大学に育っていくし、地域もまた大学のもつ知的な蓄積と学生たちの若さのエネルギーを思い切り活用して、いいまちづくりを進めることができる。そういう相互関係による「止揚」こそが「まちは学びのキャンパス」ということではないだろうか。

 夕闇の訪れとともに、ろうそくの淡い光を受けて、大正川とそのあたりが美しくきらめきはじめた。運営の基本は、驚くほどたくさんの市民ボランティアの方々であり、学生はそのサポートであるが、学生たちも、総合司会を担当し、花嫁姿で登場し、よさこいソーランで出演し、「あかりコンクール」に出品し、そして裏方にも入れていただいたりと大活躍している。その姿を町の人々が暖かいまなざしで見守っている。

 「ろうそくファンタジー」の、懐かしいような、ほんわかとしたいい雰囲気に浸かりながら、やっぱり、まちに大学があるということは、ほんとステキなことなのだなあ、としみじみと感じるひとときであった。

 どのまちも大学を誘致したい理由はここにあり、そのために全国各地にたくさんの大学が生まれ、一方でブランド力のあるメガ大学がいよいよ大規模化して、競争激化の谷間で、われら弱小大学は学生募集に四苦八苦という事態が起こっているわけではあるが・・・

 じつはその昔、当時お世話になっていた「長崎造船大学」が「造船不況」のあおりで、受験生激減という事態に、大学名を「長崎総合科学大学」に変更した。そのときなぜか「入学・就職部長」という大役をあてがわれ、内心では名称変更に抵抗があったものの、ぐっとこらえて4年間、責任者として懸命に学生募集を展開した経験がある。
 当時とは大きく社会情勢が異なるが、小さい大学のもつ良さを高校生やその親たちに理解してもらうことがポイントであることは変わらないと思う。そのとき、大学に対して地域の支持があるか、地域の人たちから愛されているか、ということは、とても重要な「売れる」要素だと思う。

 若ものたちと付き合っていると、小さいまちにある小さい大学だからこそ自分の力を発揮して大きく伸びるタイプという人にけっこう良く出会う。大きいまちの大きい大学だったら大勢の学生の中に埋没して、居場所がなくて、さびしい孤独な学生生活を送ってしまいそうなタイプの人には、わが大学こそおすすめ、と宣伝させていただく。
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by honmachilabo | 2010-09-26 08:04  

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