諫早湾の開門調査の意味

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長崎新聞をずっと購入してきたのは、この記事を見るためだった。ようやく一歩前進というべきか。とはいえ予断は許されない。事業主体の側は、県の費用で購入し、多額の補助金をつけてリースに出して、表向き「公募」して、そこに賃貸契約で「入村」させた農業事業者をたきつけ、開門調査を要求する漁民とのいがみ合いを演出している。契約者の一つがTGF(トッテモ、ガメツイ、ファミリーとわたしが命名したが、前知事の娘婿で現自民党国会議員の長男が経営する会社)である。いかにも「農民対漁民の対立」という見かけであるが、その仕掛はみえみえだ。いわば植民地での民族対立をあおる「分割統治政策」そのままである。かつてわたしはアフリカの植民地で統治者であるイギリス人が、そこに導入したインド人と、先住民のアフリカ人とを対立させて統治している姿を独立前のタンガニイカ(現タンザニア国)で見たことがある。これに成功すると統治者は「涼しい顔」で、統治の継続ができるという仕掛けである。「地元は納得していない」というが、もともと長崎の民主党のボスである西岡氏の父親が元の県知事時代に「有明大干拓構想」を打ち出したわけで、有明海のほとんどを干陸地にしようと企画した人物である。そこへもってきて、長崎の民主党を支えるのが三菱造船の労組であり、もともと会社と一体の御用組合として有名で、その三菱重工こそがあの「ギロチン」をつくった会社なのである。だから「地元は反対」というジェスチャーは当然と言えば当然。しかし、有明海と諫早湾の状態はもう一刻の余裕も無い。早く海水を入れて、その自浄能力を高めないと、「淡水湖」には今年もきわめて毒性の強いアオコが発生するだろうとされている。海水を入れると「淡水湖」が農業用水として利用できないというが、毎年アオコが発生するほどの悪水を農業利用には出来ないし、現実にやっていない。高潮対策が問題というが、水門調節で技術的に十分可能である。海水をいれると、湾内は汽水となって、驚くほどの生物量が復活し、活発に活動し始める。汽水にすることこそが、この閉鎖水系の水質を画期的に浄化してくれる。当初はその水質に適合するプランクトンが棲みつき、やがて塩分濃度が上昇するにつれて、異なるプランクトンや魚類がすみついて、やがて限りなくもとの状況に近づいて、ついには干潟復活への筋道が見えてくる。その変化の状況は、まさにドラマティックであると思う。もちろんムツゴロウが戻ってくるには、水門の数を増やして本格的な干潟復活を急がねばならないと思う。
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by honmachilabo | 2010-05-01 00:57  

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